個室の外へ

この部屋のドアを開けるくらいなら、きみには簡単なことさ

あと一歩踏み込んで

初めまして。洋式です。

2018年11月11日、生まれて初めてピアノの発表会に出ます。

 

「突然なんなの?」「その程度の事か」と思われるかもしれません。

 

でも、僕にとっては少しだけ勇気のいる一歩なんです。

言葉にして、決意を書き残しておかないと簡単に崩れてしまいそうなんです。

 

僕の気持ちの整理に少しだけ付き合って貰えたら嬉しいです。

 

 

 

大学時代のお話

大学生の時、僕は輝いていました。

今でも断言できます。僕の日々は輝いていました。

 

4年間ストリートダンスをやっていました。

HIPHOPです。Hey!!! YO!! YO!!です。

 

たった5分にも満たないショーケースの為に、全てを賭けていました。

 

家では振り付け・フォーメーションを考え

少しでも良い作品を魅せようと、毎日、終電間際まで練習をし

サークルの在り方・先輩後輩の関係の築き方・指導の仕方について、毎週のように話し合い

時には仲間の家に泊り、どうでもいいことを話したりして…。

 

その先にあるステージは格別でした。

あの瞬間にしか見えない景色・あの瞬間にしか体験できない時間・あの瞬間にしか味わえない想いが確かにありました。

 

 

でも、

「楽しい時間というのは、いつもあっという間で」

気付けば4年の歳月が過ぎていました。

 

卒業後 、少しだけ後輩とイベントに出たり、後輩向けレッスンをやらせてもらったり…

ダンスとの繋がりを持てる期間はありました。

 

しかし、半年もすればそれも終わり、時間の経過とともに繋がりも少しづつ薄れ、

また毎日同じように繰り返される、社会人生活に戻って行きました。

 

仕事だけの日々に飲み込まれ、あの頃の輝きのすら忘れ

家に帰っても、だらだらと時間を浪費するだけの毎日が続いていた時

 

 

 

「ファーストステップ」

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ラブライブ!サンシャイン!! 2期 第1話 - YouTube

彼女たちの「ネクストステップ」が 、僕にもう一度一歩踏み出したいと思うきっかけをくれました。

 

「諦めたくないんだよ」

心の中で反響しました

 

「みんなはどう?」

この言葉に応えたい

 

 

また輝きたい。

 

何をしようか。

 

ダンスを続けるか

高校卒業後、触らなくなったギターを弾いてみるか

イラストに挑戦しようか

etc…

 

選択肢も、やりたいこともいくらでもありました。 

 

でも、自分が"今"本当にやりたい事は何なのか?

ピンとくる答えは出せませんでした。

そんな中、出逢ったのが

 

 

 

別の形での音楽の楽しみ方

youtu.be

※シューっとさん掲載許可ありがとうございます。 

 

もう一度一歩踏み出したいと思うきっかけをくれた大好きなシーンで使われていた、大好きな大好きな1曲「起こそうキセキを!」の演奏動画でした。

 

一台のピアノだけで、曲をここまで表現することができるのかと驚きました。

人の気持ちを動かせる・人に何かを伝えられる演奏ができるんだと知りました。

 

自分もこんな風に、大好きなものを。大好きな曲を。

ピアノで表現してみたいなと思いました。

 

 

視界の隅に一台の電子ピアノが見えました。

 

大学2年の頃、興味を持ったは良いものの

ダンスの忙しさを理由に、ほとんど弾くことなく

部屋の片隅で荷物置き場になっていました。

 

邪魔な荷物をどけ、埃を払い、鍵盤に触れた瞬間が僕の新たな「一歩目」です。

 

 

新しいことを覚えるのは楽しいですね。

先生から教わること、聴くこと見ること、全てが新鮮でした。

自分にできること、知っていることがドンドン増えていくのを感じました。

 

 

"楽しかった"です。

でも、"悔しかった"です。

 

自分はこの程度の事も知らなかったのか。

こんなにも弾けなかったのか。

落胆しました。

 

スケールすら綺麗に弾けない

ペダルの踏み方も知らない

楽譜を音階で読むことすらできない

1曲続けて弾くのも難しい

 

凄く初歩的な所なのに。楽譜を見る限り、物凄く単純で簡単そうなのに。

できないんです。

頭が追いつかないんです。指が動かないんです。

自分の身体の一部なのに。

もどかしい。

 

そうやって自分が足踏みしている間も次々投稿される、

シューっとさんや他の方の演奏動画。

 

憧れと同時に、悔しさと嫉妬で胸がいっぱいになりました。

 

 

そんな情況から抜け出そうと、Twitterに動画を投稿してみました。

皆さんの感想、いいね1つ1つ、にやけが止まらなくなるくらい本当に嬉しかったです。

 一歩踏み出した先に、こんなに温かい世界があるなんて知りませんでした。

 

 

でも、心のモヤモヤは簡単には消えてはくれませんでした。

 

やり切れていないんです!出し切れてないんです!

もっと良いものを出せたはずなんです!!

まだまだ練習しようと思えばできたはずなんです!!

ギリギリになるまで動けない自分・何とか繋げて弾ける程度までしか練習できない自分に苛立ちました。

 

なんて中途半端なんだろう。

こんな演奏で人に何かを伝えられるのか?

 

そう思いながらも、もう一歩先に踏み込めない自分が居ました。 

 

 

 

おとぬまコンサート

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そんな気持ちを抱えながら、足を運んだ

第2回 音で沼津を照らしたいコンサート

 

圧倒されました。

今までずっとずっと観たかった光景・聴きたかったものはこれなんだな。と心の底から思いました。

あの空間は、ただひたすらに音楽が楽しい!!!という感情で満たされていました。

 

出演者の方々の"楽しい"が、そのまま僕たちの"楽しい"に変わり、

僕たちの"楽しい"が出演者の方々の"楽しい"に変わる。

そういう空間でした。

 

出演者の方たちの感情をダイレクト感じました。

当然、出演者の方々の見えない努力の跡も伝わってきました。

 

幕裏の張り裂けそうな、でも少し震えた掛け声

一音目を奏でる前の緊張感

曲が進むにつれ、肩の力が抜けていく様子

演奏後の安堵と達成感の混じったような表情

終演後の満ち溢れた笑顔

 

それら全てから、努力した人間だけが辿りつける、独特の空気を感じました。

 

 

感動した。楽しかった。あの空間に居られたことが本当に幸せだった。

 

でもそれ以上に、やっぱり悔しい

あの人達は、"好き"を原動力に努力して努力して努力して。あのステージ上に立っていました。

自分はまだ、彼・彼女らを見上げる立場です。

他の人にできて、自分に同じことができない。それが

めちゃめちゃ!!!!!悔しいんだよ。

 

 

今の僕はまだ、音楽を楽しむ域に到達できていません。

新しい曲を弾く瞬間・新しいことを覚える時は確かに楽しいです。

 

でも、いざ人に聴いてもらう為の演奏をするとなるとどうか?

弾く事に手一杯で、怖い。間違えないかな?という不安感で頭の中が一杯になってしまいます。

練習量が、努力が、足りないんです。

 

そこから抜け出したい。

 

楽しんで演奏できる側に行きたい 。

音楽を心から楽しいと思えるようになりたい。

ステージの上でまたスポットライトを浴びる側になりたい。

観ているだけじゃ嫌なんだ。

 

強く。強く。そう思いました。

 

 

 

おとぬまコンサート後の、次のレッスン日

先生から一枚の紙を貰いました。

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タイミングよ

(発表会の時期とか全然知りませんでした…)

 

ということで、出てきます。

 

当然、出るだけじゃありません。

「人に何かを伝えられる演奏」をしてきます。

ここで変わらなきゃ、一生変われません。

 

曲も決めています。採譜も終わらせました。

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選曲の理由は色々ありますが、

一番の理由は、とにかく"今"好きだから。"今"弾きたいからです。

 

 

人前で演奏するなんて、想像するだけで足がすくみそうになるけど

ここに書いた言葉・決意を嘘にしない為にも、頑張りますね。

 

 

1ヶ月後の自分が、

この時間を。この景色を。この想いを。

『一番大切なもの』の一部にできるように。